Rawdata Analysis Program A N N A on Linux 岡村 弘之 東京大学理学部 このプログラムは、理化学研究所加速器施設および大阪大学核物理 研究センター中性子測定施設で用いられているデータ収集システムで 取得されたデータを解析するために用意されたものです。StarBurst J11 を用いたシングルクレートおよびマルチクレートのデータに対応 しており、一部のデータ化けに対しても修復機能を持っています。 ユーザーは、1イベントの解析サブルーチン、および (必要ならば) 補助処理サブルーチンを用意する必要があります。コンパイル・リンク 方法に関しては USAGE を、ルーチンの記述の詳細に関しては別途 マニュアルを参照してください。 出力されるヒストグラム等のデータ形式は、グラフィックス表示プロ グラム“Polly”との組合せで威力を発揮するよう設計されています。 二つのプログラム名は、Pollyanna (E. Porter の同名小説から転じて 「超楽観主義者」の意を表す) となるように付けられました。 本プログラムは UNIX への移植版ですが、ライブラリの参照形式は VMS (VAX/AXP) 版と互換性があり、オンラインで使用したソース プログラムを (FORTRAN の言語仕様の違いを除いて) 変更する事無く コンパイルする事ができます。また、今は化石と化した FACOM/MSP で 用いられていた解析プログラムとも上位互換性が有ります。 上記ライブラリの他に、以下のユーティリティが附属しています。 * mtcopy テープ上の rawdata を別のテープにバックアップしたり ディスクにまとめてダウンロードするためのプログラムです。 ディスク上では "run****.dat" の形式で Run No. を 自動的にファイル名に割り当てます。また、転送と 同時にコメントリストを出力します。 ※ VAX 版では、テープの頭出し等にも使う事を勧めていましたが、 UNIX には mt という強力なユーティリティと、dd というシン プルな転送ユーティリティが存在しますので、複雑な転送では この二つを組み合わせる方が柔軟かつ効率的です。ただし、 dd を使う場合にはブロックサイズの指定 (bs=16384) を付ける 事を忘れずに。 * disk2mt ディスク上の (特に presort で作られた) rawdata を テープにバックアップします。ファイル名の指定には、 ワイルドカードを使用する事ができます。 * cmtlist テープまたはディスク上の rawdata のコメントリストを 作成します。ディスク上のファイルに対してはワイルド カードによる指定が可能です。テープ上のファイルを扱う 場合には、mtcopy より高速に処理が行なわれます。 * cvt_hpk OpenVMS (VAX/AXP) 上で作成されたヒストグラムデータを UNIX の IEEE 形式に変換したり、その逆を行なうプログラム です。ただし、今の所 Little-Endian のみのサポートですので、 Linux (Intel) および OSF/1 (Alpha/AXP) でしか動作しません。 変換方向は読み込まれたデータから自動的に判断されます。また、 このプログラムは VMS 上でも動作するように工夫されています。 VMS 上で使用する場合には、cvt_hpk_vms.f もリンクしてください。 ヒストグラムのようなバイナリデータの ftp による転送に関しては、 相手が VMS である場合には注意が必要です。詳しくは vms_util を 参照してください。 いずれも、オプションとして "-h" を指定して起動する事により、使用法の 簡単な説明を見る事ができます。ライブラリも含めて、詳しい説明に関しては doc サブディレクトリ以下の文書を参照してください。 バグ・不具合等の連絡は okamura@timshel.riken.go.jp まで。